膝の痛み〜ある日の施術より〜


60代女性。長い距離を歩くと、右膝の裏、特に外側が痛くなってくる。

当院のホームページなどで度々「均整法は病気や痛みの治療ではなく、それらをかたちに置き換えて、そのかたちを整えることが仕事」とお話しさせていただいています(詳しくはこちらをご覧下さい。快風院ホームページ『均整法でできること』)。

今回の場合も、まず痛い右の膝と痛くない方の左膝を触って比べてみるところから始めます。すると右の膝裏外側がぽこんと膨らんでいました。

膝から下の骨には‘むこうずね’と呼ばれる太い骨「脛骨(けいこつ)」と、その外側に「腓骨(ひこつ)」という細い骨があり、先ほど膨らんでいるといったのは、この腓骨の頭が少し後ろにずれていたためでした。

これが「痛みをかたちに置き換える」という作業ですが、それを見つけたからといって、その部分だけかたちを整えて終わり、ではなく、均整法では、一部の歪みは全身の歪みから来ているととらえますので、次に、全身のバランスをチェックします。

するとこの方は均整法で‘フォーム5’と呼ばれる回旋型の体型をしていて、右の骨盤が内側に閉じて下半身は左にねじれ、上半身は逆に右にねじれた全身のかたちをしていましたので、まずそれらのねじれを正し、全身のバランスを整えます。その結果 、腓骨のずれも整ってしまえば、直接腓骨には触らずに施術を終えます。

この方の場合、長期間に渡って腓骨に負担がかかっていた様子で、まだ少し腓骨のずれが残りましたので、最後に呼吸に合わせたやわらかい施術で、残っていた腓骨のずれの微調整もさせていただきました。

※膝は神経のつながりから見ても腰や骨盤と関係が深く、これらを先に整えることが、膝への施術の基本になります。

腰といえば、今度は上半身の重みを支える為にがんばり続けている箇所ですから、例えば上半身に右への傾きがあることで重心がブレると、それを支える為に腰はよりがんばらなくてはならなくなり、このことが腰の歪み→膝の歪みとつながっていくことが多いのです。

そこで、右への傾きを発生させる肝臓など(左への傾きなら胃など)の慢性的な疲れをとる施術をいちばん最初に持ってくることが必要になります。この例で言うと、肝臓も視野に入れたフォーム5の施術を進めます。

※こちらも参考になさって下さいね。快風院 症状別 体型紹介ページ『下半身の症状』

 

(2005年9月2日)



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