肝整寝ても寝ても眠い〜ある日の施術より〜


「寝ても寝ても眠いんですけど、春だからですかね〜。」と、月に一度、定期的に来院して下さっている30代女性。半分当たっています。季節によって、自律神経の傾向に波があるからです。

おおまかに言うと、春から夏に向かうにつれて暖かくなり心身はリラックスしてくるので副交感神経優位になり、秋から冬ではその逆で交感神経優位になります。そして、それにともない姿勢や体型、動きも変化していきます。

この方の場合、後頭部を観させていただくと、いつもと違って後頭骨が下がっていました。

「後頭骨が下がる??」ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、触ってみると頭の後ろと首とのつなぎ目が狭く感じられ、アゴが上がったような状態にみえます。

頭蓋骨はジグソーパズルのように、後頭骨、側頭骨、前頭骨など、いくつもの骨が細密に組み合わさってかたち作られています。

よって、ひとつが動くと、他の骨も歯車のように連動して動きます。ただし、とても微細な動きです。

後頭骨が下がると隣にある側頭骨は開き、頭蓋骨全体としてボワーッとふくらんだようになります。自律神経でいうと、副交感神経が優位になっているリラックス状態。

逆に頭蓋骨全体がキュッとしまったように見えるときは交感神経優位で、心身の緊張状態と観ることができます。

例えば仕事中など、昼間は交感神経優位で、自宅に帰れば気分を切りかえて副交感神経優位に、自然に自律神経を切り換えることができれば体調は良好なのですが、どちらかに偏ると、睡眠でいえば、この方のように副交感神経優位で「寝ても寝ても眠い」、交感神経優位なら「寝付けない」「眠りが浅い」「寝た気がしない」などの悩みにつながります。

そのような日内変化の偏りに、季節による偏りなども加わって、体型は常に変化していきますので、ふだんから観させていただいていると、現在の自律神経の傾向など、健康チェックにもなります。

均整法で頭の緊張や疲れがしわよせしやすいと言われる体型「頭脳型(前後型)」。その体型をかたち作る椎骨のひとつであり、ツボでいうと‘肝愈(かんゆ)’にあたるのが‘胸椎9番’。

内臓は自律神経である交感神経と副交感神経がシーソーのようにアクセルとブレーキを担当していると言われていますが、近年、肝臓はその両者のうち、交感神経によって働いている割合が大きいという研究結果も出てきているようです。

ということは、昔から漢方の世界で説かれている各臓器と感情の結びつき「肝=‘怒’」は、自律神経の面から見ても当たっていると言えます。

イライラ、クヨクヨなどのストレスに常にさらされ続けることで体調をくずされている方には、胸椎9番を整え、頭脳型→肝臓→交感神経→怒の感情という流れにより、心身のバランス回復が期待できるのです。

※「フォーム6」については、こちらも参考になさって下さいね。快風院 症状別体型研究『12種体型』

 

(2007年4月26日)



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