肝整大辞典手荒れ


手の荒れやすい方はいらっしゃいますか?

均整法の視点から見たとき、こちらのお悩みをお持ちの方々に共通する特徴のひとつは「手首〜前腕の硬さ」です。

手首〜前腕の筋肉が凝ってパンパンになり、手首は反りにくく、肘関節の動きも硬く小さくなっている方が多いです。

よってまずは、手首〜前腕の筋肉をやわらかくすることが必要。前腕の筋肉を弛めて、手先への血流を回復させましょう。新鮮な血液を手先にたくさん送り、老廃物を溜め込んだ血液はスムーズに戻れるようにするのです。

このことは手荒れに限らず、あらゆるお悩み解消の基本のひとつ。痛んだ箇所に向けて、血液が修復に必要なものを運び、不要になったものを持ち帰る作業ができなければ、いつまで経っても身体は回復の流れに乗れません。

ただし、筋肉だけをいっとき弛めても、またすぐに硬くなってしまうことは、多くの方々が経験していると思います。

そこでさらに踏み込んだ解決策として、筋肉を弛めると同時に手首・肘関節の動きも整え、関節の動く範囲を広げておくと、周囲の筋肉も日常の動作の中でいつも大きく伸び縮みできるようになり、やわらかく保ちやすくなります。

前腕は「橈骨(とうこつ)」「尺骨(しゃっこつ)」という二本の骨と、その周りに付いた多くの筋肉で作られています。

それらの筋肉が硬くなり、橈骨と尺骨のスムーズな動き(例えばドアノブを回すときのように、手首を外回しの動作では二本の箸が平行に並んだように、内回しでは箸がクロスしたような動きになります)がなくなり、その為、手首も反らしにくくなっていることが多いです。

そこで、前腕の筋肉を弛めたあとは「橈骨尺骨が滑らかにクロスできるようにする」ことで「手首もしっかり反る」ようにします。

硬くせまい範囲で動いていた筋肉を解放し、日常動作がそのまま筋肉のリラックス効果やストレッチ効果を生み出すことのできる、滑らかな関節を作りましょう。

ちなみに均整法では「最密位(さいみつい)」という言葉を使いますが、各関節をいったん、最も引き締まったポジションに、ゆるやかに持っていくことで、スムーズな関節の動きを復活させます。

さて、手荒れにはこのように、短期的には手首と前腕を筋肉、骨格の面から整えること、長期的には肝臓(なぜ肝臓が血流に関係するかはこちら「血液循環図」をご参照下さい)やふくらはぎ(第二の心臓。6月2日分をご参照下さい)がスムーズに働けるようにして、全身の血流をよくすることも大切です。

※立った姿勢で肘と肝臓は、ほぼ同じ高さにあるのが分かると思います。これを均整法では「水平相関(すいへいそうかん)」といって、互いに影響しあうと考えます(他の例では手首と骨盤などがあります)。よって、肘関節を整えるためにも、肝臓調整はかかせないのです。

手荒れ、あるいは「尋常性乾癬」「汗疱」「手のアトピー」etc.などの診断名が付いていらっしゃる方も含め、手先だけを何とかしようとせずに、まずは身体が自分自身で回復の流れに乗れるようにするための基本、「血流」を改善しましょう。

(2007年7月13日)



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