肝整タバコ〜ある日の施術より〜


yahoo30代男性(主訴:疲れやすい)、40代男性(主訴:左足首痛)、50代女性(主訴:強い肩こり)。

三人の方に共通するのは、胸郭(肋骨や胸骨など、あばら骨の部分)が前にせり出していて、鳩胸のような姿勢になっていることでした。

また、30代男性、50代女性のお二人は、胸郭全体を押してみると非常に硬く、弾力が感じられません。40代男性だけは、弾力性があります。

弾力性のないお二人に共通しているのは、タバコを吸われることです。お二人とも、かなりの長期に渡って喫煙の習慣がある様子。

主訴とのつながりを考えれば、「強い肩こり」は、胸郭の硬さ(慢性的な強い緊張)が、肩甲骨を始め、首や腕、肩周りの動きを制限してしまうのが大きな要因のひとつであることは明らかであり、「疲れやすい」は、均整法的に申し上げるまでもなく、喫煙によって心肺機能に負担をかけ続けているからでしょう(タバコに含まれるニコチンなど、体にとって有害な物質を分解・排出するのは主に肝臓の役目ですから、肝臓にも大きな負担をかけ続けることになります)。

トレーニングで筋肉を鍛えるのと同じく、体の中でよく使う部分は、それに耐えるために自然と強くなりますが、使い過ぎれば疲労し、硬く凝ったようになります。

胸郭には肺や気管、気管支などが収まっていますから、これらの疲労が長期間続くと、体の表面にまで硬さとして影響が出てくるのです。

均整では一見すると何も異常がなさそうな部分の、ごくわずかな硬さや凸凹、緊張感などをとらえて施術を進めていきますが、このお二人の胸郭は、均整師でなくても、押せば(硬いな〜)と感じることができるくらいだと思われます。

先述の40代男性は、お仕事柄アジア地域への長期出張が多く、いつも帰国した際に観させていただいています。

帰国直後の胸郭には比較的硬さも感じられ、全体的にもわずかに前にせり出していますが、日本に滞在中、何度か観させていただいているうちに、この硬さがとれて、せり出しも引っ込んでくるのです。たぶん、出張国の空気の状態に影響を受けているのではと思われます。

ちなみに、この方の足首ですが、帰国後しばらくして、からだ全体のねじれがとれてくるにつれ、片足に乗り過ぎていた重心が左右均等に近づくと、調子がよくなってきます。

人はこのように、環境に応じて、そのときに必要な体の部分のかたちや動き、硬軟を変化させて対応することができます。言い換えれば、歪むべきときには自ら体を歪めることができ、緊急事態が過ぎれば、また自力でもとに戻れる体こそ健康体なのです。

喫煙の習慣が何年も何十年も続けば、胸郭は歪むべきときも、そうでないときも、常に同じかたちでガッチリ固まったまま、環境に対応しにくくなる可能性が高く、そうなってしまってからでは、いくら施術で一時整えても、生活習慣を変えない限り、焼け石に水。

タバコや暴飲暴食、睡眠不足などの悪習慣を控えて、あるいは思い切って断ち、体への負担を減らせば減らすほど、施術による体の変化が大きくなっていきます。

今回はタバコについてお話ししましたが、その他、あなたの心にひっかかっている悪習慣があれば、どうぞこれをきっかけに改善していって下さいね。

病院の禁煙外来に通院されつつ、当院にも月に一度来て下さっている別のお客様(喫煙歴20年以上。一日一箱以上。男性)は、半年前に比べて顔色が格段によくなり、やつれたようになっていた頬もふっくらしてきました。

「何であんなに一生懸命吸っていたんでしょうね?」との言葉が印象的でした。もちろん身体バランスも体調も良好です。

(2007年8月27日)



Copyright (c) 2005〜2013, 肝臓整体『肝整』™の快風身体均整院 All rights reserved.