肝整逆流性食道炎〜ある日の施術より〜


40代男性。お悩みは、肩から肘(特に左)や首の左前側の違和感など。病院の検査で異常がないとのことで、身体の歪みとの関係があるのかないかを、一度観て欲しいとのことで来院されました。

立っていただくと、左肩を下げて後ろに引いた姿勢になっています。ちょうど、歩いているときに、後ろから誰かに「ちょっと待って」と肩を捕まえられたときのようなかたちです。また、骨盤の左側は、上に上がっています。

この姿勢から考えられるのは、左肩を引き下げ、後ろにも引っ張り、左腰を引き上げているのは、‘胃’ではないか?ということです。左背中の、胃の真裏にあたる部分も観てみると、右と比べて大きく、厚みが増しています。

そこで「胃の調子はいかがですか?」と伺って、初めてお話しして下さったのが、タイトルにある病名でした。

(もしこれが胃ではなく、肝臓であれば、上記とは左右逆の姿勢〜右肩を引き下げ、後ろにも引っ張り、右腰を引き上げ…〜になる可能性が大きいです。)

病気を治療するのはお医者さんなので、均整法で病気は扱わないことになっています。では均整法で何をするのかというと、そのときの体調に合わせて、その方が無意識にとっている姿勢を整えていくのです。

上記の方の場合は、お医者さんから診断された病気をお持ちであり、また、肩や首に関してはお医者さんで何も異常がないのに、なおかつ違和感がある状態です。どちらにしても、そのような場合には、元気なときとは違った姿勢の変化が、どこかに現れています。

例えばお腹が痛いときに、前屈みになってお腹をかばうと少し楽になるように、今回の方であれば、ご自身なりの‘胃をかばった姿勢’をとっていると言えるでしょう。

それが、胃にとっては楽ですが、肩や首にとっては不自然な、きつい姿勢になっているのです。ふたつのお悩みは、このようにつながりあっています。よって、胃の病気を放っておいたままで、肩や首だけなんとかしようというのは、本当は無理なのです。

では、施術後に左肩を後ろから引っ張られていない、よい姿勢がとれたとしたら、それはどういうことでしょうか。

胃が治った、のではありません。いっとき胃がホッと一息つけたということです。その証拠に、しばらく経てば、また胃をかばった姿勢に戻ります。

最初のうちはよい姿勢が一日しか持たないかもしれません。でも、それが大事なのです。胃がホッとしている時に、身体はようやく胃を回復へ向かわせる仕事ができます。

胃が力んだままでは、身体は胃に新鮮な血液をたくさん送ることもできず、また、そういうときには、お医者さんの薬もよく浸透しないでしょう。

長年のお悩みに打つ手がなく、あきらめかけている方。例えばこのようなかたちで、医学と均整法を併用なされると、新しい解決策が見つかるかもしれません。

(2007年12月26日)



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