土踏まずの痛み(足底筋膜炎)〜ある日の施術より〜


30代男性。一年ほど前から毎日1時間〜2時間のウォーキングを決意してお続けになっていたそうで、体重も10kgほど減り喜んでいたところ、この‘足底筋膜炎’を起こし、痛みがなくなるまでドクターストップがかかったそうです。

まず左右を比べてみると、痛い方の左足裏に一カ所、土踏まずのかかとよりに、かすかなふくらみがありました。

歩くとその一点が痛いとのことでしたので、そこに何があるかを考えてみると、ふくらはぎの深部を通ってその箇所に伸びている後脛骨筋(こうけいこつきん)と呼ばれる筋肉の付着部のようです。

足裏の奥には、脛やふくらはぎから伸びてきたいくつもの筋肉、例えば前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、長腓骨筋(ちょうひこつきん)、短腓骨筋(たんひこつきん)などの腱が付着しています。

(長腓骨筋を含む、ふくらはぎ全体は、静脈血に対するポンプ作用から「第2の心臓」とも呼ばれます。長腓骨筋をそっと伸ばしては戻すという操作で肝臓を整える技があります。そのことから、ふくらはぎの筋肉の動きがよいことは心臓だけではなく、肝臓にも好影響であることが分かります。「第2の肝臓」と呼んでもよいでしょう。)

後脛骨筋は、足首を足裏側に曲げる(底屈といいます。足首を足甲側に曲げるのは背屈です)働きをする筋肉です。

これを痛めたということは、歩くとき、必要以上に足先で地面をひっかくようにして前に進んでいる状態が考えられます。極端にいえば、膝や股関節を曲げず、足先だけで地面をひっかけて進むようなイメージです。

本来は股関節の腸腰筋やもも裏のハムストリングス、ふくらはぎのヒラメ筋などが連動し、膝も股関節も足首も曲げ伸ばしすることで、足全体の筋肉を使い、はずむように前進していけます。

よって、各筋肉にかかる負担は分散するのですが、この方の場合、歩き方の癖から一部の筋肉だけを使い過ぎ、中でも後脛骨筋への負担がかなり大きかったようです。

また全体としての姿勢がF6(フォーム6。左回旋型)になっていましたので、左のかかとにはもともと体重がかかりやすく、左右のうち、左の後脛骨筋をより酷使してしまったのでしょう。

施術ではこのF6を整えて左右のバランスをとり、左足ばかりに体重がかからないようにして左後脛骨筋への負担を減らし、回復を待つことになります。

ただし、しばらくして痛みが退いても、これまでと同じ後脛骨筋の使い方でウォーキングを再開すれば、たぶん再び痛める可能性が高いでしょう。

そこでリハビリを兼ねてお勧めするのが、前回も出てきました、前脛骨筋を始め、正しい歩行時に使われる筋肉への切り替えトレーニングなのです。

※フォーム(体型)についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

(2008年5月13日)



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