肝整大辞典梅雨の季節と手のしびれ〜ある日の施術より〜


頭痛やだるさ、疲れがとれない、何もやる気がしない。昔、骨折や捻挫をした箇所が痛むなど。 この時期、梅雨の気候が体調に影響しているのでは?と、漠然と感じている方も多いのではないでしょうか。

天候や気圧に体調が影響されやすいのは、外界の変化があっても、体温や血圧などを常に一定に保っておく働きをしている自律神経が過敏になりすぎている、あるいはもともときちんと育っていないことが考えられます。

施術を定期的に受けられ、調子が上がってきた方でも、この時期でいったん落ち込む場合も少なくありません。

例えば、左手のしびれで来院中の40代男性。立った姿勢では、左肩が極端に上がっています。施術ではこの姿勢を左右同じにしていくことがひとまずの目標になります。

もともとバランスがよく、歪みの少ない人が、何かの拍子(引越の手伝い、スノーボードで転倒etc.)で一時的にこのような姿勢になったのであれば、試しに鏡の前でその左肩を意識的に下げてみると、とてもよい姿勢になりますし、施術も1〜数回で済むでしょう。

今回の方の場合はそうではなく、意識的に下げたとしても、左肩全体が、首や胸あたりも含めて、何かもったりとふくらんで見え、下げた分だけ左の肋骨が厚くなったりと、別の箇所にひずみが出てきます。

背骨、特に首の付け根(下部頚椎や上部胸椎。腕を動かすための神経は、ここから指先まで伸びています)を観ようとしても、このもったりとしたふくらみに阻まれてとても触知しにくく、どうやら一時的なものではないことが分かります。長年かけて積み重なってきた内臓の疲れからの歪みということが感じられ、位置的には心臓疲れの様子。

運動不足を感じていて、数ヶ月前からランニングなどを開始、しばらくして症状が出てきた、とのことでしたので、運動の負荷が急すぎて、心臓へ疲れをためるきっかけになった可能性もあります。

何度かの施術で心臓の疲れをとっていくと、まずこのもったり感が排除され、ようやく頚椎、胸椎の状態がよく分かるようになってきました(頚椎6番左前方変位、胸椎3番左後下方変位など。イメージとしては、背骨が首の付け根あたりでわずかに右にねじれています)。

春先からいらして下さっていて調子も上がってきていましたが、先日「最近、また調子が…。でも、今日はいいんですよ。」とのこと。その‘今日’というのは、梅雨の谷間の晴れた日でした。

心臓を始め、内臓を動かしているのは自律神経ですから、現在の梅雨の状況によって自律神経が過敏になって心臓の疲れが増し、左肩のもったり感が再び現れていたのです。そして、たまたま梅雨の晴れ間だったその日は、自律神経が落ち着きを取り戻し、もったり感もおさまっていたわけです。

何回かかけて地道に整えてきた骨格のかたちが元に戻ってしまったわけではないですから大丈夫です、とお伝えしました。

歪みを整えるためには、冒頭の引越手伝い例のように、単に骨格の歪みを整えればよい場合と、その前に多くの下準備が必要な場合とがあるのです。 (下準備として、例えば今回の心臓疲れを肝臓調整で解消する場合も多いです。)

(2008年6月29日)

 



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