肝臓と整体の情報館背中の痛み〜ある日の施術より〜


背中の真ん中(少し右寄り)が長年痛く、その位置と同じ高さの、お腹側にも圧痛がある。最近では、背中の左側(右よりも上の位置で、肩甲骨の間くらい)にも痛みを感じる。それらの原因が肝臓にあるのではないかと気になってのご来院。

背中の右側を観させていただくと、ちょうど肝臓の裏側、肝臓の反応が出やすい点(胸椎8番や9番など)と一致しており、右背中全体も、その点を中心として、凝ったように盛り上がっています。

首の反応点にも圧痛が出ていました。こちら『神経ネットワーク図』の、首の両側にある点(頚椎2番付近)です。

左の背中で痛いとおっしゃっていた箇所は、右の硬さとは逆に、ヘニャヘニャとしていて、凹んでいます。位置でいうと、心臓の裏側にあたります。

再びこちらのページの、今度は下の方にある『血液循環図』をご覧下さい。肝臓が慢性的に疲れてくると、腹部全体の血流に影響するしくみになっており、そのしわ寄せが、時間の経過とともに心臓にも及びます。

最初は右が、最近は左も痛いとおっしゃっていたことからも、肝臓疲れが長引いた結果、徐々に心臓にも疲れが及んでいったのではという流れが見えてきます。

均整法の、このような観察によってとらえた、その方の歪みの原因箇所が、即、医学的に診ても悪いかどうか、病気があるかどうかはお医者さんの領域ですので、病院での診察が必要です。

ただ、何もないところから病気は起こらず、よく‘未病の病’と言われるように、「お医者さんにいっても病気ではないと言われたが、何となく調子が悪い」という段階を経て、本格的な病気に進行していきます。

‘未病の病’とは、慢性的な肝臓疲れや心臓疲れといった、健康診断などでの数値にも現れていないくらいの段階から、体が凝りやちょっとした痛み、また、その箇所に向けて体を引っ張る歪み(例えば、上半身右側にある肝臓の凝りにより、体が体内から肝臓に向かって引っ張られると、上半身は右に捻りやすくなることがあります)というかたちで様々なことを教えてくれている状態とも言い換えることができます。

その凝りや痛みをじゃまなものとして止めてしまうのではなく、メッセージ、あるいは手がかりとして歪みを整えておくことで、お医者さんの領域に踏み込んでしまう前に、未病の病を解消しておくことができるのです。

(2008年8月29日)

 



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