ヨガやストレッチで、片手は上から、もう一方は下から背中へ回して手をつなぐポーズがありますが、たいていの方はどちらかがやりにくいのではないでしょうか。
右利きの方の多くは、左手を上から、右手を下から回すのがやりにくいようです。先日来院された、ヨガのレッスンに通っているという、30代女性の方もそうでした。 (背中側から両方の肩甲骨を観ると、右側が下がっている場合が多いです。利き腕とそうでない側の日常動作の差、例えば歩行時の腕振りの左右差の影響に加えて、肝臓の慢性的な疲れにより、下がる場合もあります。)
上から手を背中に持っていく動作のときには、主に棘下筋(きょっかきん)という、肩甲骨の表側で下半分についている筋肉が、下から背中に持っていくときには、肩甲下筋(けんこうかきん)という、肩甲骨の裏側についている筋肉が働きます。
施術でこのふたつの筋肉を整えるだけで、どちらからもスッとつなげるようになる方がいる反面、そう簡単にはいかない方もいます。
その違いは、筋肉の硬さの左右差だけではなく、利き腕側のこれらの筋肉が太かったり、肩関節自体に動きの左右差があったり、もっと全身に目を向けると、肩甲骨と骨盤との連動がスムーズでない、などの理由からくるものと考えられます。
そのどれに該当するとしても、施術で骨格(関節)、筋肉、そしてそれらに影響を及ぼしている内臓(例えば肝臓と右の肩甲骨の動きは、場所が近いだけに、強く連動しています)、などを整えつつであれば、今と同じ時間のヨガやストレッチで、より大きな効果が期待できるでしょう。
(2008年10月17日) |