シーズン後のケア〜ある日の施術より〜


30代男性。右肩の後ろに鈍痛。何年も続いている。学生時代から続けている野球で痛めた様子。MRIなどでも異常が判明せず。

左肩と比べさせていただくと、右肩の前側が硬く、主訴である後ろ側はやわらかすぎる状態になっていました。

例えて言うなら、ゴムが伸びきってしまっているような感じです。均整法では前が「実(じつ)」で後ろが「虚(きょ)」の状態と表します。

(肝臓にも同じく「実」と「虚」の状態があります。実の場合は直接肝臓をゆるめていけばよいことが多いですが、虚の場合はすでにゆるみすぎてフニャフニャですから、例えば肝経などの経絡を使って、疲れすぎてしまった肝臓を元気づけるような調整を進めていきます。)

実していて硬いところは、ゆるめることを目的としてよい場合が多いですが、虚していてヘニャッと伸びきっているところは、弾力のある、ほどよい硬さまで戻していかなければなりません。

どちらにしても均整法では、痛い箇所そのものを施術の対象にはせず、全身のバランスを整えた結果、痛い箇所、ここでは右肩のやわらかすぎの状態が、痛くない左側と同じように、左右均整になることを目指します。

野球というスポーツの特性上、投げるにしても打つにしても、右利きでは上体を左に捻る動作が多く、この方の場合、均整でいうと全体の姿勢がF6(フォーム6。左回旋型)になっていました。

上体を左に捻ってみるとわかりますが、右肩が前に巻き込むかたちになります。野球という動きの中で、その姿勢を長く繰り返し、ケアもしないでおくと、だんだんと右肩の前側がつまって硬くなっていきます。

すると最初は前側が痛くなる可能性がありますが、年月を経るにつれ、前がつまった分、後ろが引っ張られて伸びてしまい、後ろが痛んでしまうのです。この方も、以前は前が痛かったとおっしゃっていました。

このような見立てにより、F6調整を何度か繰り返した結果、今では、練習や試合後のケアという意味の施術で済むくらいに、元気に野球に励んでおられます。

そろそろシーズンが終わるというこの時期にも来院されました。訴えの箇所としてはやはり右肩の後ろなのですが、以前と違うのは、虚ではなく、実になっているということ。単に使い過ぎて筋肉が張っているだけの状態で済むようになったわけです。

以前と同じくF6調整で、シーズン中にたまった左捻れを解かせていただきました。

春から夏、秋にかけて野球やゴルフを楽しんでいらっしゃる方。冬の間も継続して練習に励む方もいれば、これからはスキーなどに切り替えるという方もいらっしゃるでしょう。

シーズン中、体に蓄積されてしまった左捻れ、あるいは右捻れの姿勢を均整法で解き、冬期練習や来シーズンに向けて、体の手入れをしておかれてはいかがでしょうか。

※F6などについては、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

(2008年11月14日)

 



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