野球による肩の痛み〜ある日の施術より〜


前回とは別の30代男性。学生時代に野球をやっていて、社会人になってから、週末などを利用して再開。しかし、全力で投げると、右肩前が痛くて、力をセーブしなければ投げられなくなってしまった。

どんなスポーツでも、ブランク後に再開するとき、急にやり過ぎると筋肉や靱帯を痛める可能性があります。神経は以前の素早い動きを覚えていても、筋肉がすぐには追いついていかないからです。よって、ゆっくり体を慣らしていくことが大切です。

また、繊細な作りになっている肩では、腱断裂などの可能性もありますから、整形外科での診察も必要です。

まず立った姿勢を観させていただくと、背中の上部が丸くなる猫背で、両肩も前に巻き込むかたちになっていました。

肩が巻き込んで、肩関節の前側がつまった状態のままでボールを投げる等、腕を思い切り動かせば、その箇所には相当な負担がかかってしまいます。

上部猫背の原因として多いのは、肺や心臓への継続的な負担となるタバコです。この男性にも喫煙の習慣がありました。

背中側の、肺や心臓の高さにあたる筋肉が、体内からの疲れで盛り上がり、猫背になってしまうのです。 (肺や心臓の慢性疲労をとるには、血液循環の観点から、手前に位置する肝臓を整えるとよいのです。こちら「血液循環図」をご覧下さい。)

以前にも別のお客様から「住んでいるところが遠いので、一定期間東京に泊まって、集中的に上部猫背を整えて欲しい」という問い合わせをいただいたことがあります。

まずは一度観せていただくと、この方もかなりの量を吸われるらしく、施術よりも、タバコを減らしていったほうが背中は伸びるし、またそうでないと、施術も活きてきませんとお伝えしました。

体には、もとのよかった状態に戻ろうとする力がある反面、現在の状態にとどまろうという力もあります。

施術でその境界線を越えられれば、快適なもとの状態を維持できますが、タバコなど、足を引っ張る要因があればあるほど、現在の状態から抜け出せない、あるいはすぐに戻ってしまうのです。

上部猫背も、例えば肋骨型(呼吸器型)調整などで、いったんはある程度まっすぐになりますし、両肩の巻き込みも開いてきます。

今回の野球の男性からは、「初回の施術を受けた直後の試合で、2年ぶりに全力で野球を楽しむことができました」というコメントを、二度目の来院の際にいただきました。

あとは施術で、肩が巻き込むか開くかの境界線を、開く側に越え続けていられれば、喫煙の習慣を正す必要は、肩に関してはないとも言えます。

ですが、もっと大きな視点で健康を考えれば、少しずつでも禁煙に取り組まれたほうがよいでしょう。

※肋骨型(呼吸器型)などについては、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

 

(2008年11月23日)

 


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