20代女性。生理不順、不正出血などの症状を、漢方薬にて治療中。
均整法で扱うのは、症状、病気そのものではなく、あくまでもその方の歪みです。 歪みにもいろいろあります。例えば動きの硬い部分とやわらかい部分のように、シーソー関係になっている、動きのバランスの乱れも、歪みのひとつと言えます。
今回の女性の場合、仰向けに寝た状態で両膝を立て、外に開いたときに非常に硬く、膝はほぼ天井方向に向いたままです。開脚の動き(股関節の外旋や外転の動き)がしにくいということです。
これとは逆に、膝を内側に倒すように閉じていくと、やわらかすぎるほどフニャッと倒れてしまいます。
座った姿勢でいうと、正座した両足の間に、お尻をストンと落として座る姿勢。何の苦もなく長時間座っていられるそうです。
女性の方で、同じくこれが楽々できる方はいらっしゃいますか?その場合、何らかの婦人科に関するお悩みをお持ちなのでは?と推測されますが、いかがでしょうか。
これらの動きや姿勢を、単に体が硬い、やわらかいではなく、なぜ硬いのか、どこで引っ張っているから硬いのかを、均整法では観ていきます。
足の付け根は股関節であり、股関節が付いているのは骨盤。骨盤の中には何があるかというと、女性では、子宮・卵巣が収まっています。
子宮・卵巣が緊張して、中から引っ張るから、股関節の運動に制限が出て硬くなる、と観ていくのです。骨盤内の血流が非常に悪くなっている状態ですから、均整法では分かりやすく‘卵巣の貧血’と言い表すこともあります。
施術としては骨盤型調整で、股関節の内旋、外旋のバランスを整え、中の卵巣や子宮に向けて、外からよい刺激を送ることを繰り返していきます。
不妊のお悩みで来院される女性も多いです。共通しているのは、この股関節の動きに加えて、おなかが硬い、あるいはやわらかすぎて、ヘニャヘニャしていること。 股関節が子宮・卵巣の状態を表すぐらいですから、おなかの表面には、おなかの中の様子が、さらに顕著に表れます。理想的なおなかは弾力があって、つきたてのお餅のようなイメージです。
妊娠は本来、「食事」「睡眠」「運動」といった、基本的な生活習慣が整っていることで体調が充実し、その余裕の上で成されるもの。
乱れた生活習慣によって、子宮・卵巣以外の臓器が疲れ果てた状態では、とても妊娠・出産まで行うパワーは得られないのです(※詳しくはこちらをご覧下さい。)。
(婦人科系にお悩みのある女性の場合、特に多いのが胃や肝臓といった、消化器系の内臓が慢性的に疲労を起こしている状態です。)
生理不順、不妊症など、婦人科系のお悩みに共通する根っこは同じ。股関節の動きをよくする意味でも、適度な運動に取り組みつつ、さらに全体的に生活習慣を見直し、弾力のある、理想的なおなかを目指しましょう。
※骨盤型については、こちらもどうぞご参照下さい。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
(2008年11月29日)
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