前回、「生理不順、不妊症など、婦人科系のお悩みに共通する根っこは同じ。股関節の動きをよくする意味でも、適度な運動に取り組みつつ、さらに全体的に生活習慣を見直し、弾力のある、理想的なおなかを目指しましょう。」とお話しさせていただきました。
では、‘適度な運動’とは、具体的にどのような運動を指すのでしょうか。 適度かつ手軽と言えば、やはりいろいろなところでお勧めの運動にもなっている、ウォーキングがいちばんです。
ただし、間違った歩き方をしていては、婦人科系はもとより、腰や膝その他、別のところまで痛めたりと、逆効果になってしまいますので、今回は正しい歩き方についてお話ししたいと思います。
歩いた歩数や時間ばかりではなく、体の使い方が正しく‘適度’になることを目指しましょう。
子宮・卵巣が緊張して、骨盤の中から周りの筋肉を引っ張るから、股関節の筋肉も硬くなり、開脚などの動きも悪くなる。それを、股関節を整えてやわらかくすることで、骨盤の中まで緊張を解き、整えていくのが、施術のポイントのひとつでした。
よって、ウォーキングの場合も、股関節をしっかり伸び縮みさせて、のびのび歩き、股関節の筋肉を通じてつながっている子宮・卵巣にまでよい刺激を与えることが大切なのです。
さらに具体的には、歩いているときに後ろ足になった側の股関節前、鼠径部(そけいぶ)付近がしっかり伸びているかどうかです。
解りやすく言うと、ビートたけしさんが「コマネチッ!」ってやっていたときに、両手でVの字にかたちを作っていたラインのところ。
女性のあなたであれば、ご自身のふだん歩いている姿を想像してみて下さい。このV字ラインを内側にすぼめたまま、ちょこちょこと歩いていませんか?
(このV字ラインがすぼまってしまうと、肋骨の「ハの字ライン」も連動してすぼまり、その中に収まっている胃や肝臓の動きを押さえこんでしまいます。)
体質的に婦人科系統が弱くてそのような姿勢や動きになる方もいらっしゃいますが、多くは子ども時代の外遊び不足や運動不足により、正しい体の動きを身につけてこなかったためと思われます。 常に股関節を縮めて動作をし続けた結果、股関節周りの筋肉を硬くしてまうことから始まって、骨盤の中の筋肉も硬くなり、それら硬く動きのない筋肉に囲まれた子宮・卵巣も身動きがとれなくなってしまっています。
ウォーキング開始前の準備体操として、片方の足を後ろに引き、前足の膝を軽く曲げ、後足のふくらはぎやアキレス腱を伸ばすストレッチがあります。その際に、アキレス腱だけではなく、股関節の前側も伸ばすように意識してみて下さい。 後足のつま先は外に開かず前に向け、後足と同じ側の腕を空に向かって伸ばすようにすると、より股関節前がストレッチされます。
仕事の合間など、気づいたときにはいつでもやってみましょう。Vの字ラインを伸び伸び動くようにすることが、骨盤を整え、骨盤の中も元気にします。
※正しい歩き方、体の使い方にさらに興味を持たれた方は、私の動きの師匠でもあるスポーツトレーナー、志水博彦先生主宰の「体玄塾」もお訪ねになってみて下さいね。
(2008年12月6日) |