肝整エクササイズ


ボディプラス2009.31月23日(金)発売の健康雑誌「Body+(ボディプラス)」3月号に、‘肝整エクササイズ’の記事を掲載していただけることになりました。

肝整エクササイズでは、まず均整法で「自動法」と呼ばれる、自分で動かす矯正体操(ちなみに、人にしてもらう施術は「他動法」といいます)で肝臓を整えたあと、それを維持向上できるよう、日常動作のすべてで、肝臓を始め各内臓、各筋肉に、常によい刺激を送れるような体使いを身につけていきます。
(肝臓を整えるためには、今回ご紹介した自動法の他、肝臓と関係の深い、胸椎8番、11番、腰椎2番の自動法も有効です。)

具体的には、歩きなど日常生活の中で、これまで間違って使い過ぎていた筋肉を休ませ、逆に使っていなかった、本来活躍すべき筋肉を使いこなせるように、切り替えていくのです。

正しい体使いを覚えることは、内臓だけによいのではなく、間違った長年の日常動作によって起こる腰痛、膝痛、肩こり、ぎっくり腰なども防ぎます。

すでに痛めてしまった方も、一部分だけの治療に目を向けすぎないで下さい。

ご自身のこれまでの動作が、痛めた部分へ長年負担をかけ続けていたしくみを理解して、今からでも正しい動きを身につけ、その部分へ集中してしまっている負担を軽減していきましょう。

文字数などの関係もあり、誌面上で説明しきれなかった部分を、今回のブログでは補足していきたいと思います。本誌と合わせてご覧下さい。

【(P.45)血液は肝臓に集まる】 左下の図のように、肝臓には消化器系統の各内臓から血液が集まります。

肝臓が慢性的に疲れ、血流が滞ると、それより下に位置する内臓全体の血流も渋滞を起こし、そのことが腰痛や痔、婦人科系統の不調など、様々な症状のベースになります。肝臓が体の歪みの中心になりやすい理由のひとつもここにあるのです。

詳しくはこちら『肝臓が疲れると‘下半身’はどうなる?』をごらん下さい。

【(P.46)肝臓疲労の見分け方】 右肩上がりのイメージとしては、上半身の右側に位置する肝臓が働きすぎてパンパンになり、体内から右肩を押し上げている状態です。

それが度を超えて慢性疲労化したり、もともと体質的に肝臓が弱かったりした場合は、肝臓は力みすぎて縮こまった、もしくはヘニャヘニャと力の抜けた状態になり、右肩は肝臓に向かって下がってしまいます。

【(P.47)エクササイズ】 5種類のエクササイズを通して行うことで、正しい体使いの基本が身につきます。

<内転筋を鍛える> 歩きを動作の基本とすれば、片足立ちの連続が歩きですから、その場でしっかりとした片足立ちができなければ、歩きもコントロールできていないということになります。そのためには内転筋を正しく使えることが大切。

椅子に座った姿勢で行う方法もありますが、立った姿勢で内転筋が使えることが必要なので、立ち姿勢のままで行います。

<股関節のストレッチ> 内転筋で軸足を安定させた状態で、反対の足を前に送り出すのが理想の歩き方です。

送り出す手前で、股関節前が十分に伸び、その奥にある腸腰筋と呼ばれる筋肉にも伸びがかかり、その反動で自然に足が振り出されます。この股関節前を伸ばさずに、縮めたままで歩く方が非常に多く見られます。

股関節の奥、下腹内には腸腰筋の他、女性には婦人科系統の臓器も収まっています。動きのない部分の働きは低下してしまうことが多いので、生理痛などにお悩みの女性は、ぜひこの歩き方を身につけ、下腹の内も外も十分動くようにして下さい。ここが使えるようになれば、日常の歩く動作は、すべて腹筋運動になります。

<肩甲骨を引き下げる> 肩甲骨と骨盤は、体を動かすとき、密接に連動しています。よって、どちらかの動きが硬くなると、もう一方にも制限が出てきます。

ふだん無意識に肩を力ませて、肩甲骨を引き上げた状態で過ごし続け、肩甲骨周りの筋肉を固めてしまっている方は、股関節、内転筋だけを整えても、上半身と下半身がうまく連動しません。

このエクササイズで、肩甲骨を重力にさからわず、自然な位置にスタンバイさせておけるよう、筋肉を慣らします。

<腹斜筋を鍛える> 47ページ、下の二つは、上級者向けのエクササイズです。

私が師事しているスポーツトレーナー志水博彦先生の「動きの達人スクール」では、上記の三つに加え、その他のさらに細かな基本エクササイズで、腹斜筋や腸腰筋を段階的に鍛え、動かせるようにしてからこれらに進んでいきます。

感覚のよい人であればできるかもしれません。難しい場合に、無理して間違った動きで続けると、余計に不自然な体使いになる恐れがありますから、この二つは省略し、上の三つだけを行って下さい。

腹斜筋エクササイズの説明で「腰をひねる」とありますが、さらに正確には、腕を真横に水平にあげた側のお腹の奥、腸腰筋を使って、その側の骨盤(腸骨)を突き出す、です。

真横にあげた腕、肩をその位置でキープしていると、腸骨を突き出しても動きが制限されるので、ひねるほどには動きません。ひねるためには、背筋など別の筋肉を使わなければならず、正しい歩きにつながらなくなってしまいます。

また、意識してグイッと突き出すのではなく、ラテンの踊りのように、反射で自動的に素早く動かせることが必要です。 説明の中で「腕は広げたまま動かさずに行う」としました。腕と肩の位置をキープしておくと、腸腰筋を使って腸骨が動ける範囲で素早く前に出たときに、肩甲骨がおいてけぼりを食った状態で、結果的に後ろに引かれるからです。

よって、見た目には腕や肩を振っているように見えます。肩甲骨をきちんと動かせない方が見た目だけまねると、肩から先の腕だけを前後に振り、骨盤は背筋などを使って無理にひねる、など、間違った方向に進んでしまう恐れがありますので、気をつけて下さい。

肩甲骨は後へ、腸骨は前へと、それぞれ反対の方向へ動きますから、その間にある腹斜筋にピーンと伸びがかかります。

伸びがかかった腹斜筋は反射的に縮み、腸骨がもとの位置に戻る、この繰り返しになります。慣れてきたら、ラテンのリズムのように素早く自動的に動くようにしていきます。

なお、動き出しのときには、少し腕を振った反動を使ってもかまいません。以前ブームになった「ボディブレード」というトレーニング器具をご存じでしょうか。横にあげた腕と体幹がボディブレードのような動きになればOKです。

<腸腰筋を鍛える> 下の図の矢印でバウンドを示すはずが、解りにくくなってしまいましたので、上の図だけをご覧下さい。

上の図のように姿勢をとり、腹筋はリラックスさせたまま、お尻を連続してバウンドさせます。

※23日に発売後、さらに補足がありましたら、このブログに追加更新していきます。

47ページの5種目は、志水博彦先生(NSCA認定パーソナルトレーナー)が主宰する「動きの達人スクール」で、歩き方を学ぶ際に基本となるエクササイズです。

私の施術や肝整エクササイズに取り入れさせていただくようになったきっかけは、こちら2007年6月2日分を御覧下さい。

さらに興味を持たれた方は、東中野にある志水先生主宰のスポーツジム「体玄塾」もお訪ねになってみて下さいね。

(2009年1月17日)

 



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