胸郭出口症候群〜ある日の施術より〜


40代女性。左手の指が常にしびれている。特に中指。整形外科でも治療中。

首の付け根付近(下部頚椎)からは、腕、肘、手首、指先へと神経や血管が伸びています。それらが、

(1)首にある何本もの筋肉(主に前斜角筋と中斜角筋)の間から出てくるときに、その凝りなどによって、圧迫された状態

(2)鎖骨とその下にある第一肋骨の間が、鎖骨下筋などの凝りにより、せまくなって圧迫された状態

(3)胸の深部の筋肉(小胸筋)の凝りによって、小胸筋と肋骨にはさまれ、圧迫された状態 などの場合に、今回のような症状につながりやすいです。

これら(1)斜角筋症候群(2)肋鎖症候群(ろくさしょうこうぐん)(3)小胸筋症候群の三つを合わせて、胸郭出口症候群と呼びます。

このように、現在痛めている部位がどのような状態になっているのかを、病院での検査により、はっきりさせておくことは大切です。その上で、均整法的に、全身的な視点でとらえていきます。

この方の場合、例えば仰向けの姿勢を観させていただくと、左肩は、内側に巻き込んだかたちになっています。右肩の後ろはベッドに自然に着いていますが、左肩は少し浮き上がってみえます。

さらに、骨盤の左側も巻き込み、左のつま先が内側を向いています。左半身がすべて内側に巻き込んだ姿勢になっているのです。

左肩だけを観れば、巻き込んでいてきゅうくつそうだから、なんとかして開くことができれば楽になりそうに思われますが、骨盤からつま先まで一体として巻き込んでいるのですから、もしも左肩だけ無理にこじ開けたとしても、すぐにもとに戻ってしまいます。

さらに言えば、左肩は硬く凝りすぎて、どのような施術も受け付けないような反発を感じます。 繰り返しになりますが、左肩だけ硬いのではなく、左半身全体が硬く、巻き込んで閉じているわけですから、症状の出ている左肩から指先にかけては氷山の一角と考えたほうがよいのです。

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現在いちばん硬くなっているその一角は後回しにして、海に沈んでいて見えない部分、一見問題のなさそうな骨盤や足先を、均整法では「回旋型(捻れ型)」調整などで全身の捻れをとりながら開いていくことで、連動して左肩が開き、右肩と同じように、自然にベッドに着くように持っていきます。

ちなみにここでの「骨盤を開く」というのは、閉じすぎ(巻き込みすぎ)ている骨盤(腸骨)を、ちょうどよい状態まで開くということです。

骨盤は、その方のいちばん自然な状態より、さらに閉まりすぎているのもよくないのです。

※肝臓の慢性疲労の方は、肝臓と同じ側、右側の骨盤(腸骨)が閉まり過ぎやすい傾向にあります。

※回旋型(捻れ型)については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

(2009年2月14日)



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