40代女性。右腕をバンザイして下ろすときなどに、肩関節が途中で引っかかる感じがして少し痛む。過去に患った四十肩の名残なのでしょうか?とのこと。
肩関節との連動が強い、右の股関節を回してみると、内側へ回すときに引っかかる箇所があり、こちらには痛みがありません。 均整法では痛むところを直接治療するのではなく、痛む箇所と連動する部位で、痛みがなくバランスが乱れている箇所を優先して整えていきます。
今回の女性の場合は、右股関節の動きを整えていくことにより、肩の動きにも変化が出てきました。
慢性化した肩の不調は、その部位だけではなく、同じ側か、さらに年月が経っている場合には、逆側の股関節の動きが悪くなっていることが多いです。
昨日(7/10)の夕方、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」の中で特集されていたトリガーポイントにも通じるところがあります。
肩周辺の筋肉にトリガーポイントができてしまうくらい、肩の動きが悪いのであれば、肩以外の他の部位が快調ということは、まずありません。
痛みが出ているのは肩やその周辺であったとしても、その真下では、股関節がだまって無理を続けてくれている可能性が高いのです。
トリガーポイントを解消するだけではなく、再び発生しないようにするためには、例えば立った姿勢で、股関節の真上に、自然に肩を載せておけるバランスを保つことも必要。
(肩関節と股関節の動きが悪いと、その間にはさまれた肝臓やその他の内臓も動きがとれなくなってしまいます。逆に内臓の慢性疲労によって、体幹や肩・股関節の動きが、体内から制限されてしまうこともあります。)
それができていないと、不安定さから、自ら力んで位置を保ってしまう肩周辺の筋肉は再び凝り出し、その力んだ肩を、無理して載せている股関節の動きも悪くなっていきます。
よって施術の大きな目的のひとつは、痛みを訴えている肩は後回しにして、肩の筋肉が力む必要なく、無理なく位置を保っておけるバランスを、股関節など他の部分を整え、作り上げていくことなのです。 その際には、各関節と内臓との関係も視野に入れ、調整を進めていきます。
(2009年7月11日)
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