肝整くるぶしトントン〜ある日の施術より〜


「先生、最近、くるぶしのところ、トントン叩くかい?」

「うん、叩く、叩く。何しているんだろうね?」

「鉋(かんな)の刃の調整みたいなものかな?」

「あ、そうかもしれない。」

月に一度のペースで通って来て下さっている30代女性と、そのお父様の会話です。

お二人は別々の日にいらっしゃって、自宅へ帰ると、それぞれ受けてきた施術について、「何をしてくれたんだろう?」と、ときどき議論しあうそうです。

均整を受け慣れていない、特に初回のお客様には、施術中にも、現在行っている技や歪みの状況を、なるべく説明させていただいています。

ただ、会話が過剰になってしまうと、受けている最中、常に頭が働いてしまって体も緊張し、施術が浸透しにくくなってしまうことがありますので、回が進むにつれ、その日に現れていた歪みの状況などを、ポイントをしぼってお話しさせていただくようになります。

そのようなわけで、あとでふと気がつくと「あれ?先生、今日はいつもと違うことしてくれていたよな?あれは何だったんだろう?」という疑問がわくこともあるかもしれません。今日はそのことについて、少し補足説明をしたいと思います。

均整法には、施術の最初にこれをして、次にあれをして、というようなマニュアルはありません。その日ごとに表情を変えて現れる、お客様の姿勢や動きが、マニュアルといえばマニュアルです。

さらに、強いてあげるなら、「お悩みの箇所から見て、いちばん遠いところから整えていく」ことでしょうか。

お悩みが上半身にあれば下半身から、背中にあればお腹から、手にあれば足からというように、全体のバランスという視点から観ると、自然と、痛んだ箇所から、最も距離の遠いところをスタート地点として、整えていくことになります。

よって、施術の流れは、お客様の体調に合わせて、毎回少しずつ変化していくのです。

また、定期的に施術を受けて下さるお客様の体は、同じ技を繰り返していると、同じ刺激に慣れてしまい、整いにくくなってきます。

それを防ぐためにもあるときは微妙に、あるときはガラッと、技を変えることもあります。

ちなみに、くるぶしトントンは、今回のお二人への場合は、頚椎を整えるためにさせていただきました。鉋の刃調整のイメージは、かなり近いと思います。

同じくるぶしトントンでも、ときには狙う箇所が骨盤であったりすることもあります。角度や強さを変えることで、整える箇所を変えることができるのです。

くるぶしトントン以前は、手首や肝臓、あるいは直接の施術で頚椎を整えたりしたこともありました。

(肝臓疲れを整える場合にも、肝臓を直接調整、仰向けで右足を開き肝臓に向けてゆすぶる調整、足の親指にある肝経のツボを使った調整など何種類もあり、そのときの肝臓疲れの状態に応じて使い分けていきます。)

技が毎回違ったとしても、歪みの状態と、それが整ったかどうかは、常に「12種体型」を基準として検査し、仕上げていますので、ご安心下さいね。

(2009年7月25日)



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