ご来院されたお客様に、全身の映る鏡の前に立っていただくと、みなさんそれぞれに姿勢の特徴が現れています。
均整法ではこの姿勢の個人差を「12種体型」という分類法を用いて、そこにどのような意味があるのかを探っていきます。(肝臓疲労の方は、右肩が下がっているまたは上がっていることが多いです。)
施術ベッドに仰向けになっていただいた姿勢にも、様々なパターンを観ることができます。
例えば、「大の字」、「大の字よりもさらに、バンザイに近いくらい両腕を上げている」、「胸やお腹の上で指を組んでいる」、「ベッドに対してまっすぐ寝たつもりでも斜めになっている」、「お顔を左右どちらかに向けている」「両つま先の開く角度が違っている」、などです。
それぞれのポーズに、その方の歪みや、お悩みの原因につながる手がかりを見つけることができます。
得られる手がかりのひとつとして、その方は、自身の背骨や骨盤の歪みに沿ったポーズをとっているのではないか?ということ。
お顔を左に向けて寝ていれば、その方の頚椎は全体的に、あるいはどこかひとつが左に回転している可能性があります。
つま先が内に向いている側の骨盤(腸骨)は閉じ過ぎているかもしれない。全体のポーズ、部分部分のポーズから、その方の歪みを読んでいきます。
読み取った上で、そのポーズを活かしてそのまま施術する場合と、正しい背骨や骨盤の位置に一時的に戻してから施術する場合と、状況に応じて使い分けます。
一時的に戻すとは、例えば、閉じ過ぎている骨盤を開くために、その側の足を大きく開いたり、膝を曲げたり、下がっている肩甲骨を上げるために、その側の腕をバンザイしていただいたり。
完成した「背骨や骨盤を一時的に正しい位置に戻した姿勢」は、一見すると、かなりヘンテコなポーズになります。おそ松くんに出てくるイヤミの「シェー!」のようになってしまうことも(こんなことを書くと、来てくださる方が少なくなるかもしれませんが…)。
骨格をバランス的にいったん正しい位置にしてみると、全体の歪みの中に隠れていた歪みの中心、例えば、いちばん歪んでいた背骨のうちのひとつが浮いて出てきますので、それをねらって整えていくわけです。
大人の場合は、浮いてくる歪みの数が多いものですが、小さいお子さんの場合は一カ所か二カ所くらい。施術としては、先ほどの「シェー!」のポーズでバンザイしている腕を軽く引っ張るだけで、全体が連動して整い、施術は完了してしまいます。
先日、お母様といらした8歳の女の子は、学校の健康診断で尿タンパクが出たとのこと。
姿勢を観させていただくと、腰の上部、ちょうど腎臓の位置での捻れがきつく、体を右には捻れるのに、左に捻りにくくなっていましたので、背骨、骨盤を正しい位置に戻しての腕引き調整で、左右同じように捻れるようにして差し上げました。
この一見ヘンテコなポーズは、基本のポーズが頚椎から腰椎、仙椎まで、一個一個個別に設計されており、均整法学園では「自他動操縦法」という課目で学習します。
私はその科目を担当しており、今日はこれから均整法学園21年度生の皆さんの授業にいってまいります。
「自他動操縦法」の他にも、全部で17の科目があります↓
『身体均整法学園』カリキュラム一覧
それでは今日も一日お元気で。
※12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
(2009年11月7日)
|