肝整骨盤の歪みと腰痛〜ある日の施術より〜


50代男性。最近、朝起きるときに右の腰が重い。

さらに、「丸首では分からないが、VネックのTシャツを着ると、右の襟が落ちる」「脇腹の肉の厚みが左右で違う」「このような話は病院ではできず、何か手かがりはないかとずっと探していた」とのことでした。

立った姿勢を観させていただくと右の肩が下がり、右の骨盤(腸骨)は反対に上がっています。

このように姿勢の視点から観てみると、Vネックの件も脇腹のお肉の件も、すぐに原因が判明します。

右肩が下がっているために、襟のラインもそれに沿って右がすべり落ち、右の脇腹が右肩と右骨盤に上下から挟まれるために、左右で厚みが違ってくるのです。

重い右腰側の骨盤が上がっているわけですから、この骨盤のかたちを左右整えることが施術のポイントになりそうです。

左の骨盤が下がっているとも考えられるのですが、均整師の手で触ると、微妙な緊張感のある側とそうでない側を感じ分けることにより、どちらを主にして歪んでいるのかを判別することができます。

今回の男性の場合、うつ伏せの状態で背骨を触らせていただき、F4内界調整(フォーム4の消化器型調整)を中心に、肝臓に関係する椎骨を整えると、姿勢はすぐにまっすぐになりました。

(椎骨とは、首から骨盤まで積み重なって背骨を構成する、一個一個の骨のことです。頚椎、胸椎、腰椎、仙椎と場所ごとに呼び名があります。それらのうち「肝臓に関係する椎骨」とは、椎骨と椎骨の間から、主として肝臓に神経を伸ばしている椎骨を言います。

肝臓が疲れるとその神経を通じて疲れが伝わり、神経が出ている椎骨付近の筋肉も凝り、それが背骨の歪みにつながります。その筋肉をゆるめ、背骨の歪みを整えることで、逆に神経からよい刺激を肝臓に送って、肝臓疲労を解消していくことができます。

均整法では、肝臓を初めとして、胃腸、膵臓、腎臓など、各臓器に神経を伸ばしている椎骨を一覧にし、「観歪法」として学びます。)

このことから、慢性的な肝臓疲労により、体が無意識に肝臓をかばうような姿勢(均整では「くつろぎ姿勢」と呼びます)で右肩を下げ、右の骨盤を上げている様子が見えてきます。

(では、肝臓疲労の原因は?と考えた場合に、暴飲暴食などによる直接的な疲れの他、例えば右利きの人がデスクに座るときに右手で椅子を引く動作、トイレでお尻を拭く動作、自転車を左側から押して歩く姿勢などにより、ちょうど肝臓を圧迫する姿勢や動作が毎日少しずつ積み重なることも考えられるでしょう。)

※「F4」「消化器型」など12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

(2010年5月29日)



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