20代男性。お酒をまったく飲まないのに、健康診断でいつも肝臓の数値がひっかかる。
このようなお悩みの男性、多いです。
まず、逆にお酒の飲みすぎや、食事の摂りすぎの方に現れやすい肝臓の反応を、均整法の視点から見てみましょう。
下図の首にある点は「迷走神経」といって、内臓を動かしている神経の出発点です。
この神経の流れから、暴飲暴食により肝臓が慢性疲労に陥ると、左右の点のうち左側に凝り、圧痛が現れやすく、頚椎の変位も起こします。
このことから、均整法では「左側に首が倒しにくいと肝臓、右側では膵臓に負担がかかっている」として、歪みの原因の目安にすることもあります。
(神経ネットワーク図by「肝臓と整体の情報館」)
しかし、今回の男性の場合、この点には凝りも圧痛もありませんでした。これはどういうことでしょうか。
肝臓はアルコール代謝以外にも、たくさんの仕事を担っています。
ストレスに対抗することもそのひとつ。
人はストレスを受けると、図にある迷走神経とは別の「交感神経」という、背骨に沿って走り、そこから各内臓に分かれている神経が働いてそれに対処します。
その際には、肝臓も交感神経による活動が多くなるため、図の点には凝りも圧痛も出ないのです。
以上のことから、肝臓の数値に問題がある場合、同時に首凝りも感じれば「お酒の飲みすぎ」「暴飲暴食」「喫煙」など、首凝りがなければ「睡眠不足」「仕事上やプライベートでのストレス」などの原因が考えられます。
肝臓をどのように整えるかはその人ごとに違います。均整法で分類する12種種類のパターンに沿って整えていきます。
暴飲暴食での肝臓慢性疲労であれば、12種類のうち「消化器型」調整になることが多いでしょう。
(日々呼吸が浅く、肋骨の動きが硬くなって肝臓を抑えこんでいる場合には「肋骨型」調整、骨盤の歪みが、下から肝臓を引っ張っているのであれば「骨盤型」調整など、12種類の調整方法があります。)
今回の男性の場合、転職後の仕事の忙しさが影響していたため、「頭脳型」調整で頭の疲れ(=交感神経の疲れ)を解消し、その結果として肝臓の疲れをとる、肝臓には触らないパターンの肝臓調整をさせていただきました。
※「頭脳型」など12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
(2010年7月3日) |