肝整内臓疲労による猫背〜ある日の施術より〜


50代女性。以前から姿勢の悪さや猫背を家族に指摘される。

立った姿勢を観させていただくと、確かに背中が丸く膨らんでいます。

「膨らんでいる」状態と「丸まっている」状態は、一見似ているようで、原因が異なります。

今回は膨らんでいる猫背について。下記の図をご覧下さい。

迷走神経

(神経ネットワーク図by「肝臓と整体の情報館」)

内臓の位置はおおざっぱに、上段「肺・心臓」、中段「肝臓・胃」、下段「小腸・大腸」と三段に分けることができます(図では「腎臓」や「膵臓」は略してあります)。

そしてそのすべてに、首から伸びる神経「迷走神経」が配分されており、そのコントロールにより、各内臓は動いているのです。

今回の女性は、肝臓や胃の真裏に当たる背中が膨らんでいました。

例えばタバコをよく吸う人は、もっと上の、俗に「上猫背」と呼ばれるような姿勢になりがちです。

下猫背(とはあまり言いませんが)では、例えば冷たい飲み物、ビールなどが大好きで、毎晩飲み歩き、下腹を体内から常に冷やしっぱなしの人。腰の自然な反りがなくなり、後ろに膨らんでしまいます。

つまり、どの位置の内臓疲労かによって、猫背になる位置が決まってくるのです。

このような訳で、膨らみタイプの猫背の場合、その膨らんだところを後ろからギューギュー押しても、もとには戻りません。その位置の内臓が余計に苦しがるだけです。

どうすればよいかというと、首(頚椎)をしっかり整えていくのです。

すると図にある迷走神経の流れに沿って無理なく該当の臓器が整い、背中の膨らみも穏やかになっていきます。 (このあと、例えば肝臓の真裏の背中の膨らみを、直接整えていくのです。)

今回の女性は「肝臓・胃」の位置での膨らみタイプ猫背ですから、均整法12種体型「消化器型(左右型)」として、頚椎から骨盤まで整えさせていただきました。

「膨らみ猫背は内臓疲労」を表し、「丸まり猫背は脳疲労」を表す、と覚えておいて下さい。丸まり猫背についてはまた次回に。

※均整法では施術前、体の各動作を12通りに分けて調べ、最もやりにくい動作を中心に整えていきます。その指標となる「12種体型」についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

(2010年8月21日)



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