60代女性。商店経営。大雨のときに店内への浸水を防ごうと、物置から土のうを運ぶ際、しばらく調子のよかった膝を再び痛めた。
膝の調整の場合、均整法では骨盤の関節(仙腸関節)と腰椎3番を整えることがセオリーとなっています。
その2箇所を含めて、12種体型「回旋型」調整。左右の膝の動く範囲を最初に調べ、両方が同じ動きになるよう、全身とのバランスを考えながら整えていきます。
ところで、今回痛める前までの調子のよさには、施術もさることながら、以前から何度かご来院の際にお話しした「正しい片足立ちの方法」が役立ったようです。
ぐらつかずに片足立ちができますか?
しっかりと片足立ちのできる人が両足で立ったり歩いたりするのと、できない人のそれとは全く違うのです。
片足立ちをしてもぐらつかない人は、ももの内側の筋肉(内転筋)や骨盤の奥の筋肉(腸腰筋)で下腹に力を込めることにより、体幹を中心に寄せることができます。
その結果、立つときも歩くときも、例えば一本脚テーブルの中心に物を置くように上体を軸足に載せ、足に負担なく体重を支えられます。
ぐらつく人ほど、上体をテーブルのギリギリ端に置くようなもの。天板と脚の継ぎ目など、股関節や膝関節にあたる部分に無理な力がかかります。
歩きは片足立ちの連続ですから、片足立ちができなければ、ぐらついた上体を支えようと、あわてて逆の足を出し、その足でまたぐらついて、あわてて逆足を…を繰り返す歩き方になります。(ぐらつく上体自体をカチカチに固めて何とかバランスをとろうとすると、体幹の内側、肝臓をはじめとした内臓の‘器’を固めることになり、内臓疲労につながります。)
軸足に安定して上体を載せ、余裕を持って一歩一歩踏み出す歩き方とでは、足への負担には、長年の間に大きな差がついてしまいます。
この例え話をきっかけに、下腹に力が入っているかどうかを意識するようになってから、膝の痛みがグッと減ったとおっしゃっていました。
理想をいえば、単なる筋トレではなく、正しい体の使い方を身につける視点からの内転筋、腸腰筋その他のエクササイズをお薦めします。
しかしそれにはある程度の時間を割いて、系統立てて学ぶ努力も必要。
いきなりでは敷居が高ければ、まずは私が本ブログ中で、いろいろな例えでお話しする中から、下腹への意識など、何か気になったひとつを心がけてみて下さいね。
※「体玄塾」志水先生のブログは、日常の姿勢や動きを見直すよいきっかけになります。
※「回旋型」など「12種体型」についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』
(2010年9月25日) |