肝整頚椎から見た背骨のゆがみ〜ある日の施術より〜


30代女性。去年の夏から心身共に忙しすぎて体調をくずし、鬱との診断を受けた。

40代女性。左後頭部に円形脱毛症発生。

50代女性。前々から顎関節症に悩む。

症状はバラバラですが、これらの方々に共通することは、すべて首から上の不調ということです。

均整法では各症状を個別に追いかけることはせず、「頭脳型(前後型)」「消化器型(左右型)」「泌尿器型(回旋型)」「生殖器型(骨盤型)」など、体を12通りに分け、歪みの出ている部分を中心に、全身を整えていきます。

(肝臓疲労には主に「消化器型(左右型)」の調整が当てはまります。)

今回の方々であれば、まず首から上のどこかに歪みはないかを探していきます。

それぞれ固有の歪みもありますが、共通して見られたのは、「冠椎(かんつい)」と呼ばれる頚椎1番(C1)の歪み(下図参照)。

脊柱

(脊柱図by「アイリス・アイリスの作業現場」)

3名ともかなり強く歪んでいます。頭と首をつなぐ境目の椎骨ですから、ここが歪むと脳への血流が悪くなり、働きは鈍り、髪の毛も育ちにくくなります。

顎の骨である「下顎骨(かがくこつ)」の動きも、このC1やC2,C4に大きく影響を受けます。

最初の女性の場合は、頭蓋骨(後頭骨)ごと、C1が前に入りすぎていました。姿勢で言えばアゴが上がった状態です。

2番目の女性は、C1だけではなくC1〜7まで、頚椎の左側全体が凝ったように硬くなっており、さらに腰椎も左側が硬く、首だけの問題ではなく、左半身全体の硬さが首に影響していると考えられます。

3番目の顎関節症の女性には、ひとまずC1をこちらの指で押さえて補助しながら正しい位置に持っていくと、口の開け方がスムーズになることを実感していただけました。

そこで3名ともC1を整えることが目標になりますが、C1だけが歪んでいるわけではありません。

上図の通り、頚椎から腰椎まで24個積み上がっている脊柱の並びを下から順番に揃えていかないと、C1は本当の意味では正しい位置に戻ってくれないのです。

脊柱の並びを順番に揃えていく場合に、人それぞれ、いちばん整いやすい手順があり、その指標が先述の前後型や左右型と呼ばれる12種類の姿勢。

1番目の女性は日常的に前後の動作が多く、その動きによる脊柱全体の歪みのクセが、結果的にC1に負担をかけていることが観察により分かります。

2番目の女性は捻る動作、3番目の女性は横への動きによる脊柱の歪みのクセを下から順番に追いかけていくと、一番上に載っているC1は、結果的にもとの正しい位置に戻りました。

※12通りの姿勢や動き、「12種体型」についてはこちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

 

(2011年1月8日)

 



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