50代女性。背中の真ん中辺りが痛くて、体を捻れない。
立った姿勢で体を捻っていただくと、右にほとんど捻れません。左には問題なく捻れます。
寝違えはよく首に起こりますが、今回の女性は背中の寝違えです。
寝違えといっても、変な姿勢で寝ていて、朝、目が覚めたら首や背中が痛くて回らないといった状況ばかりではありません。
日中、「何か首が変だな〜」なんて思っているうちに、だんだん痛みが増してきて、まったく動かせなくなってしまった、という状況もよく聞きます。
そして、起こる部位は首、腰、そしてその間の背中と、様々です。
今回の女性は、背中半分より少し上に位置する、胸椎8番がガチガチに固まって動かなくなっていました。胸椎8番は肝臓に関係の深い椎骨です。
(肝臓に関係の深い椎骨には、他に胸椎4番、9番、11番、腰椎2番などがあります。)
まず、肝臓と足の親指を結ぶ「肝経」というラインの凝りをほどくと、ほんのわずかですが、右に捻れるようになりました。
次に、肝経で準備運動をさせた肝臓を直接調整。胸椎8番が弛んで整い、右に捻れる範囲がさらに広がります。
首の場合は「寝違え」、腰の場合は「ギックリ腰」、背中の場合は、、「ギックリ背中(?)」。
今回のように、何かしたわけでもないのに徐々に痛くなって動けなくなる系の症状は、部位は違っても、そのほとんどが肝臓やその他の内臓疲れから来ています。
よって、腰部の捻挫であり、重い物を持ち上げたときに傷めたような、きっかけがはっきりしているギックリ腰などとは、本来分けて考えなければなりませんが、よく混同されてしまっています。
さて、最後にもう一度立った姿勢に戻り、無理をしない範囲で右に捻って検査をします。ひっかかって動きを止めている椎骨を探すと2つ見つかりました。
その胸椎4番と腰椎2番を調整して終了。これらも肝臓疲れが現れやすい椎骨です。右にも楽々捻れるようになりました。
(2011年4月30日)
|