肝整肩甲骨外側の痛みやこりを解消するには〜ある日の施術より~


前回は肩甲骨内側の痛みやこりについてでした。今回は外側について。

1ヶ月に1回、定期的に施術を受けに来てくださる30代女性。いつもは左肩甲骨の外側がこって仕方がないが、今回は右とのこと。

立った姿勢を観させていただくと、確かにいつもと違って、右側の肩甲骨周り、特に外側が硬くなっています。

さらに、これは前回の女性と共通していますが、右側の肋骨と骨盤(腸骨)を、グッと前に突き出した姿勢になっています。

12種体型に当てはめると、こちらも前回の方と同じく「F5・右回旋型」になっていました。

別の観方をすると、体の右側にある肝臓のこりに、右の肋骨と骨盤(腸骨)が引っ張られた姿勢とも言えます。

姿勢だけで、どこそこが疲れていると判断するわけではなく、神経や経絡、また、その方から伺うお話などをもとにして、どの臓器が疲れているかを絞り込んでいきます。

例えば暴飲暴食など、食事の不摂生が原因で肝臓に負担がかかっている方は、首の左側(頚椎2番あたり)に、押すと痛いコリコリが現れます。

これは、肝臓と脳をつなぐ神経「迷走神経」が、脳から頚椎の際を通っていく途中の箇所で、迷走神経の反応を観やすい点なのです(下図参照)。

迷走神経

イラストby肝臓と整体の情報館

今回の女性には、このコリコリが現れていませんでした。

コリコリがない場合、肝臓は別の理由で疲れている可能性があります。それは、ストレスによる疲れ。

心身ともに何らかのストレスを受け続けると、体は副腎という臓器からストレスに対抗するホルモンを出したりと、様々な対処をします。

肝臓も、ストレスを何とかしようとフル回転している脳に常にエネルギーを送らなければならず、同じくフル回転。その疲れが出ているようでした。

おでこ(前頭葉)にも、ふだん見られないこりが強く(考えすぎが続くとおでこは硬くなります)、伺ってみると、確かに最近いろいろあるとのこと。「よく分かりますね〜っ」と驚いていらっしゃいました。

そこで、施術の主な方向は肝臓調整。

肝臓に関係する背骨(椎骨)の歪みを整えたり、肝臓を直接ゆるめたり、また「後頭部と下腹部」「おでこと上腹部」といった、均整法独特の考え方「相関関係」により、おでこによる肝臓調整を進め、「F5・右回旋型」として右にねじれている身体を整えていきました。

※おでこと上腹部:おへそを頭のてっぺんとして、下腹部を後頭部、上腹部をおでこ、と見立てています。上腹部には肝臓がおさまっているため、おでこと肝臓も相関関係でつながっていると考えられます。

 

※12種体型については、こちらもどうぞご参考に。快風院症状別体型紹介ページ『12種体型』

(2011年10月1日)



Copyright (c) 2005〜2013, 肝臓整体『肝整』™の快風身体均整院 All rights reserved.